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マッサージで痛みだけ取ってもダメ!姿勢を改善して再発予防する“セルフストレッチ”入門

最近、デスクワークやスマートフォンの使用時間が増えたこともあり、肩こりや腰痛などの慢性的な痛みに悩む女性が増えていると言われています。そして、肩こりや腰痛ケアのためにマッサージや整体院に行っても、そのときはスッキリしてもまたすぐに痛みが再発してしまう…そんな方も多いのではないでしょうか?

根本解決していくためにはその場限りのケアで終わらせるのではなく、根本的な姿勢の改善と再発予防のためのセルフストレッチを組み合わせることがとても大切です。

そこでこの記事では、痛みの原因となる姿勢の乱れにフォーカスし、専門的な理論や実践例を交えながら、“セルフストレッチ”の入門編をお届けします。

目次

1:なぜ「痛み」だけ取ってもダメなのか?

マッサージによって筋肉のコリをほぐし、一時的に血流を改善することは、確かに痛みの軽減に役立ちます。しかし、痛みの原因が改善されていないと、また同じ箇所に負担がかかり、結果的に痛みは再発してしまいます。特に女性はホルモンバランスの変動や骨盤の形状、日常的にヒールを履く習慣などにより、姿勢が崩れやすい傾向があります。

痛みの原因には、例えば以下のようなパターンが考えられます。

  1. 骨格のゆがみ:骨盤や背骨のアライメント(配列)の乱れ
  2. 筋力不足:とくにインナーマッスル(深層筋)の弱さによる支えの欠如
  3. 筋肉の使い過ぎ:特定の筋肉ばかり使ってしまい、別の筋肉が使われない筋バランスの崩れ
  4. 不良姿勢:デスクワークでの猫背、スマホ操作による前かがみ姿勢などの持続

ここで重要なのは、マッサージや整体で「症状をやわらげる」だけで終わらず、筋肉の正しい使い方や骨格の本来の位置を意識しながら“セルフストレッチ”を行い、姿勢を根本から改善すること。そうすることで、再発リスクをぐっと下げることができます。

2:姿勢改善のカギは「骨盤」と「肩甲骨」

姿勢を改善するとき、多くの人が「背筋を伸ばす」ことだけに注目しがちです。しかし、実は骨盤と肩甲骨が正しい位置にないと、いくら背筋を頑張って伸ばしても長続きしないばかりか、別の筋肉に負担がかかってしまうのです。

  • 骨盤:骨盤は上半身と下半身をつなぐ重要な土台です。骨盤が前傾し過ぎると反り腰や腰痛の原因になり、後傾し過ぎると猫背や下腹ポッコリの原因になります。
  • 肩甲骨:肩甲骨は背中の上部に位置し、腕を動かすための支点となるパーツです。肩甲骨が外側に開き過ぎている(いわゆる“巻き肩”)と、肩こりや首コリだけでなく、呼吸が浅くなることもあります。

この2つを正しいポジションに保つことが、全身の筋肉のバランスを整え、痛みを生みにくい身体を作る第一歩。セルフストレッチを行う際は、骨盤と肩甲骨の位置を意識しながら行うのがポイントです。

3:セルフストレッチの基本理論

セルフストレッチとは、その名の通り自分自身で身体を伸ばし、筋肉や腱の柔軟性を高めるメソッドを指します。専門的には以下のような理論があり、上手に活用することで効果を最大化できます。

  1. 静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
    ゆっくりと筋肉を伸ばし、一定の時間ポーズをキープする方法。筋温が高まった状態(入浴後や軽い運動後)で行うとより効果的で、リラクゼーション効果も期待できます。
  2. 動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
    軽く身体を動かしながら筋肉を伸ばす方法。運動前のウォーミングアップとして用いられることが多く、関節の可動域を広げる効果があります。
  3. PNFストレッチ
    プロプリオセプティブ・ニューロ・ファシリテーション(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)の略。筋肉を一旦収縮させてから緩め、その後に伸ばすことで、より深いストレッチが可能となります。上級者向けですが、セルフで行う場合は軽い力で短時間で実施するとケガのリスクを抑えられます。

セルフストレッチを行うにあたって重要なのは、「息を止めずに行う」「痛気持ちいい範囲で伸ばす」「リバウンドが起きないように丁寧に戻す」の3つ。女性の場合、月経周期に応じて関節のゆるみ具合が変化するので、無理せずその日の体調に合わせて強度や回数を調整しましょう。

4:おすすめセルフストレッチ:骨盤周り&肩甲骨周り

ここでは、姿勢の要となる骨盤周りと肩甲骨周りに焦点を当てたセルフストレッチを2種類ずつご紹介します。実際の患者さんの症例でも、これらのストレッチを習慣化したことで腰痛が軽減したり、背中のコリが和らいでデコルテがスッキリしたという声が多数寄せられています。

1)骨盤周り:腸腰筋ストレッチ

  • 狙い:腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)を伸ばし、骨盤の前傾・後傾バランスを整える
  • やり方
    1. 片膝を床につけ、もう片方の膝を立ててランジのような姿勢をとります。
    2. 骨盤が前に倒れすぎないよう意識しながら、ゆっくり上半身を前方に移動。
    3. 腰を反らせずに下腹部を伸ばすイメージで、30秒キープ。
    4. 反対側も同様に行います。
  • 注意点:前脚の膝がつま先よりも大きく前に出ないように注意しましょう。腰を反り過ぎると腰痛を悪化させる場合があります。

2)骨盤周り:殿筋ストレッチ

  • 狙い:お尻の大きな筋肉である大殿筋・中殿筋を伸ばし、骨盤の安定をはかる
  • やり方
    1. 床に仰向けになり、片膝を胸に引き寄せます。
    2. 引き寄せた膝を反対側の肩に向けて斜めに引っ張ります。
    3. お尻の外側から太ももの外側にかけて心地よい伸びを感じたら、20~30秒キープ。
    4. 反対側も同様に行います。
  • 注意点:腰が浮きすぎないように、床に背中を付けたまま行いましょう。

3)肩甲骨周り:肩甲骨はがしストレッチ

  • 狙い:肩甲骨周りの筋肉(菱形筋、僧帽筋、肩甲下筋など)を緩め、巻き肩や猫背を改善
  • やり方
    1. 両手を組んで頭の後ろに当て、肘を軽く開きます。
    2. 背筋を伸ばした状態で、肩甲骨を背骨に寄せるイメージで肘を後ろに引きます。
    3. そのまま5秒キープして一旦リラックス。
    4. 10回ほど繰り返します。
  • 注意点:肘を引くときに首を反りすぎないようにし、首筋や背中に余分な負担をかけないようにしましょう。

4)肩甲骨周り:脇の下ストレッチ

  • 狙い:広背筋・大円筋など、脇の下を通る筋肉を伸ばし、肩甲骨の可動域を広げる
  • やり方
    1. 片手を頭の上に伸ばし、反対の手で手首を軽くつかみます。
    2. 上体を斜め横に倒しながら、脇の下から体側にかけて伸ばします。
    3. 20~30秒ほどキープしたら、反対側も同様に行います。
  • 注意点:呼吸を止めずに、ゆっくり吐きながら行うと筋肉が緩みやすくなります。

4:セルフストレッチを継続するコツ

「わかってはいるけれど、続けられない…」という女性は多いもの。継続するためには、以下の工夫がおすすめです。

  • 1日1箇所から始める:全部やろうとすると面倒に感じるもの。まずは1つのストレッチを習慣にしてみましょう。
  • タイミングを決める:朝起きたとき、入浴後、就寝前など、ライフスタイルに合わせて決めておくと忘れにくいです。
  • お気に入りの音楽やアロマを取り入れる:好きな香りやBGMで気分を高めると、ストレッチが「苦行」ではなく「癒やし」の時間になります。
  • 鏡の前でチェック:自分の姿勢がどう変わっているかを確認しながら行うと、モチベーションUPにつながります。

◎実際の症例:腰痛持ち女性Aさんの場合

デスクワークで腰痛が慢性化していたAさん(40代・女性)は、月1回のマッサージ店通いをしていたものの痛みが完全には取れず、来店ペースを増やす一方でした。そこでAさんは、担当セラピストから「骨盤周りのストレッチ」を毎日行うようアドバイスを受け、入浴後の習慣として継続。2ヶ月ほどで「腰の重だるさが軽くなった」「ヒールを履いても疲れにくくなった」と実感。さらに肩甲骨ストレッチを追加したことで姿勢が良くなり、肩こりの頻度も減ったそうです。

■まとめ

マッサージや整体で痛みを軽減することはもちろん大切ですが、それだけでは再発予防には不十分です。姿勢の土台となる骨盤と肩甲骨を中心にセルフストレッチを習慣化し、根本的な歪みを整えることで、痛みが出にくい身体づくりを実践してみましょう。

「仕事や家事で忙しい…」と思う方も、1日数分でも構いません。小さな積み重ねが、将来的に大きな違いを生み出します。ぜひ今日から“セルフストレッチ”を取り入れて、健康的でしなやかな身体を目指してみませんか?

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