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体幹が弱いと膝痛が進行?アラフォーから始める“膝・股関節”周りの専門ストレッチ

40代を迎えると、「ちょっと立ち上がるだけで膝が痛む」「階段の昇り降りがしんどい」といった声をよく耳にします。特に女性は男性に比べて骨盤や関節周囲に負担がかかりやすく、ホルモンバランスの変化も手伝って、膝痛や股関節痛に悩まされるケースが増加しがちです。

実は、膝や股関節の痛みの原因として“体幹の弱さ”が密接に関わっていることがわかっています。体幹、いわゆるコアが安定していないと、歩く・立ち上がる・座るなどの日常動作で下半身に過度な負荷がかかり、膝痛や股関節痛が進行しやすくなるのです。本記事では、アラフォーから始める膝と股関節を守る専門ストレッチについて、理論的背景や実践例、症例などを織り交ぜながら詳しくご紹介します。

目次

1:なぜ体幹の弱さが膝痛に影響するのか?

1-1. 体幹と膝関節の関係

体幹は、一般的に腹筋・背筋・横隔膜・骨盤底筋などを含む領域を指し、身体の軸を安定させる重要な役割を担っています。体幹が安定していないと、立位や歩行などで骨盤がぐらつき、結果として膝や股関節に必要以上のストレスがかかります。例えば、歩行時に骨盤が左右に過度に動きすぎると、膝への衝撃が増大し、軟骨や靭帯に負担がかかってしまいます。

1-2. 中殿筋や大臀筋の重要性

膝痛・股関節痛を予防あるいは緩和する上で注目されるのが、股関節の外側や後部に位置する中殿筋や大臀筋などの筋肉です。これらの筋肉が弱いと、骨盤の安定が保たれにくく、膝関節への負荷が増大します。実際、変形性膝関節症を抱える女性の多くは、大臀筋や中殿筋の機能低下が見られるという報告もあります。したがって、体幹だけでなく、股関節周囲の筋力にも注目することが大切です。

2:膝・股関節に関わる代表的なトラブルとそのメカニズム

2-1. 変形性膝関節症

変形性膝関節症は、年齢を重ねるにつれて膝関節の軟骨がすり減り、変形や痛みを生じる疾患です。女性の場合、ホルモンバランスの影響や筋力の低下などにより、男性よりも発症リスクが高い傾向があります。初期症状としては、朝起きたときや立ち上がり始めに痛む「始動時痛」が多く、進行すると常に膝が痛むようになります。

2-2. 変形性股関節症

こちらも女性に多く見られます。先天的な臼蓋形成不全(股関節のはまりが浅い)や加齢に伴う筋力低下などが原因で、股関節の軟骨が磨耗し、最終的に変形を招く病態です。痛みのために歩行速度が遅くなったり、杖が手放せなくなるケースも少なくありません。

2-3. 膝痛・股関節痛の「隠れた原因」

膝や股関節そのものに器質的な異常がない場合でも、慢性的な筋肉の緊張や骨盤の歪み、股関節周囲の固さが原因で痛みを感じることがあります。このような「隠れた原因」は、適切なストレッチや運動療法で改善が可能です。

3:膝と股関節を守るための専門ストレッチの理論

3-1. ストレッチの基本的な考え方

ストレッチは、筋肉や腱・靭帯などの柔軟性を高め、関節にかかる負担を軽減するのが主な目的です。しかし、ただ伸ばせばいいというわけではなく、ターゲットとする筋肉をしっかり把握し、正しいフォームで行う必要があります。

3-2. PNFストレッチの効果

理学療法の世界では「PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)」と呼ばれる手法が取り入れられることがあります。これは、筋肉を収縮させた後に弛緩させることで、より深いストレッチ効果を得るというものです。膝や股関節の可動域を改善する上でも有効な手段として知られています。

3-3. 体幹と連動させる“ファンクショナル”なストレッチ

体幹が安定していない状態で局所的なストレッチだけを行っても、実生活での動作改善にはつながりにくいことがあります。そのため、最近では体幹を含めた全身の連動を意識した“ファンクショナルストレッチ”が注目されています。例えば、股関節を伸ばす際に腹筋や背筋の力を抜かずに行うことで、実際の動作に近い状態で柔軟性を高めることができます。

4:アラフォー女性向け!膝・股関節を守る専門ストレッチ実践編

以下では、自宅で簡単に行えるストレッチをいくつかご紹介します。いずれも膝や股関節周囲、そして体幹を意識しながら安全に行うことがポイントです。

4-1. ヒップフレクサーストレッチ(腸腰筋ストレッチ)

  • 手順
    1. 右膝を前に出して立て、左膝を床につけるランジのような姿勢になる。
    2. 両手は腰に当て、体幹をまっすぐ保つ。
    3. ゆっくりと骨盤を前方にスライドさせるように動かし、左股関節の前面が伸びるのを感じる。
    4. 20〜30秒キープしたら元に戻す。反対側も同様に行う。
  • ポイント
    • 骨盤が横にぶれないように体幹を意識する。
    • 過度に腰を反らさず、下腹部を引き上げるようにする。

4-2. 中殿筋ストレッチ

  • 手順
    1. 仰向けに寝転び、右足を左足の上にクロスさせる。
    2. 左手で右膝を軽く押し、右の臀部や腰周りが伸びるのを感じる。
    3. 20〜30秒キープし、反対側も行う。
  • ポイント
    • 骨盤が浮かないように意識し、床にある程度つけておく。
    • 痛みを感じるほど強く押さない。

4-3. 大臀筋ストレッチ(仰向けバージョン)

  • 手順
    1. 仰向けに寝転び、右膝を両手で抱える。
    2. 胸の方にゆっくり引き寄せ、大臀筋が伸びるのを感じる。
    3. 20〜30秒キープし、反対側も行う。
  • ポイント
    • 呼吸を止めずにゆっくり行う。
    • 腰が浮きすぎないよう、腹筋にも少し力を入れる。

4-4. 体幹強化プランク

ストレッチではありませんが、体幹を安定させるためには重要です。

  • 手順
    1. うつ伏せになり、前腕とつま先で身体を支える。
    2. 頭からかかとまで一直線になるようにキープする。
    3. 10〜30秒キープを目安に行う(慣れたら時間を延ばす)。
  • ポイント
    • お尻が上がったり下がったりしないよう気をつける。
    • 肩から肘にかけての角度を90度に保つと安定しやすい。

5:実際の症例と改善例

5-1. 症例:40代女性・変形性膝関節症の初期

主訴:長時間歩くと膝が痛む、階段の昇り降りが不安定。
評価:中殿筋や大臀筋が弱いほか、股関節の可動域が狭い。体幹のバランスも不十分。
アプローチ:まずは毎日のヒップフレクサーストレッチと中殿筋ストレッチを提案。プランクなどの体幹トレーニングを週2〜3回ほど実施。
結果:2ヶ月ほどで階段の昇降がスムーズになり、痛みの頻度が減少。ウォーキングの際の姿勢が良くなり、膝への負担が軽減。

5-2. 症例:50代女性・股関節周囲痛

主訴:歩き始めに股関節がズキッと痛む、立ち仕事で疲れやすい。
評価:骨盤の前傾が強く、腸腰筋が硬い。大臀筋が弱く、体幹との連動が不十分。
アプローチ:腸腰筋ストレッチを重点的に行い、大臀筋の強化をプランクとブリッジ(ヒップリフト)でサポート。
結果:3ヶ月で痛みが劇的に軽減。立ち仕事の後半でも疲れを感じにくくなり、姿勢が安定。

6:ストレッチを継続するためのポイント

  1. 無理をしない
    痛みが強い日は休むか、時間を短縮して行うなど柔軟に調整しましょう。
  2. 呼吸を意識する
    ストレッチ中は深い呼吸をすることで筋肉のリラックスを促します。
  3. 生活習慣との組み合わせ
    ウォーキングや軽い筋トレと組み合わせると効果が高まります。
  4. 習慣化する
    お風呂上がりや朝の身支度前など、毎日のルーティンに組み込みましょう。

7:まとめ

体幹が弱いまま放置すると、膝痛や股関節痛が進行し、生活の質が低下してしまう恐れがあります。アラフォーからは特に注意が必要で、女性はホルモンバランスや骨格の違いによって関節への負担が大きくなりがちです。専門ストレッチを取り入れ、体幹や股関節周囲の筋肉をしっかりケアすることで、膝や股関節の健康を守り、痛みのない生活を送ることができるでしょう。

ぜひ、今回ご紹介したストレッチを生活習慣に取り入れてみてください。最初は無理をせず、ゆっくりとした動きで実践し、徐々に慣れていけばOKです。継続することで体の変化を実感できるはずです。痛みや違和感が強くなる場合は、早めに医師や理学療法士などの専門家に相談して、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

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