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自律神経が不安定?更年期症状を和らげる“インナーマッスル”ストレッチの秘密

40代後半から50代にかけての女性にとって、更年期症状は心身ともに大きな影響を与えます。急なほてりや発汗、イライラや気分の落ち込みなど、原因不明の不調に悩まされることも少なくありません。この背景にはホルモンバランスの変化だけでなく、「自律神経の乱れ」が関与しているケースが多いと言われています。

さらに自律神経は、姿勢や体の軸を安定させる“インナーマッスル”とも深い関係があることが明らかになっています。本記事では、更年期症状を和らげるために注目したいインナーマッスルとストレッチの秘密について、専門的な理論と実践法を交えながらわかりやすく解説していきます。

目次

1:自律神経と更年期症状の関係

1-1. 自律神経の役割とは

自律神経は大きく交感神経と副交感神経に分かれ、私たちの呼吸・血圧・消化・発汗などを無意識下でコントロールしています。更年期においては、エストロゲンなどの女性ホルモンが減少すると同時に、この自律神経のバランスが乱れやすくなるとされています。

1-2. 更年期症状と自律神経の乱れ

更年期の典型的な症状には、ホットフラッシュ(のぼせやすくなる)、発汗過多、動悸、イライラ、倦怠感などがあります。これらの症状は交感神経が過剰に働いている状態や、副交感神経との切り替えがうまくいかない状態で起こりやすいのです。また、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするのも自律神経の乱れと密接に関係しています。

2:インナーマッスルと自律神経のつながり

2-1. インナーマッスルとは

インナーマッスルとは、身体の深層部に位置する小さな筋肉群で、姿勢保持や関節の安定に重要な役割を果たします。代表的なものとしては、横隔膜・多裂筋・腹横筋・骨盤底筋などが挙げられます。これらがしっかり機能することで背骨や骨盤が安定し、自律神経を含む身体の様々な機能がスムーズに働きやすくなるのです。

2-2. 横隔膜の重要性

インナーマッスルの中でも、とくに自律神経との関わりが深いのが横隔膜です。呼吸の主動筋である横隔膜がしなやかに動くことで、副交感神経が優位になりやすくなり、リラックス状態を作り出すと言われています。更年期の不安定な自律神経を落ち着かせるためには、横隔膜周囲のストレッチや呼吸法が効果的です。


3:インナーマッスルストレッチがもたらすメリット

3-1. 自律神経の安定

インナーマッスルを適切に伸ばし、鍛えることで、呼吸が深くなり交感神経の過剰な興奮を抑制しやすくなります。また、姿勢が整うことで内臓への血流もスムーズになり、結果的に自律神経の働きが安定してくるのです。

3-2. 更年期特有の不定愁訴の軽減

肩こりや腰痛などの慢性的な痛みも、更年期には起こりやすい不定愁訴の一つです。インナーマッスルストレッチで筋肉の緊張を緩和すると、これらの痛みが軽くなることがあります。さらにストレス軽減効果も期待でき、イライラや落ち込みといった精神的症状にも良い影響を与えやすくなります。

3-3. 姿勢改善とボディラインの維持

インナーマッスルを伸ばすと同時に鍛えることで姿勢が良くなると、お腹周りや背中のラインが引き締まる効果も期待できます。年齢とともにたるみが気になる女性にとっては、一石二鳥のアプローチと言えるでしょう。

4:更年期を乗り切るためのインナーマッスルストレッチ実践例

ここでは自宅で簡単にできるストレッチをいくつかご紹介します。いずれも呼吸と連動させるのがポイントです。

4-1. 横隔膜リリースストレッチ

  • 手順
    1. 仰向けに寝転び、両膝を立てる。
    2. 両手をみぞおち付近(横隔膜あたり)に当て、鼻からゆっくり息を吸う。
    3. 息を吐くときに、手で軽くみぞおちを押し込みながら横隔膜が上がるのをイメージする。
    4. 5〜10回繰り返す。
  • ポイント
    • 無理に押しすぎない。
    • 深い呼吸を意識することで副交感神経が働きやすくなる。

4-2. キャット&カウ(背骨と腹横筋のストレッチ)

  • 手順
    1. 四つん這いになり、肩の真下に手、股関節の真下に膝が来るようにする。
    2. 息を吐きながら背中を丸める(キャット)。同時に腹横筋を引き締める感覚を持つ。
    3. 息を吸いながら背中を反らせる(カウ)。
    4. 10回ほどゆっくり繰り返す。
  • ポイント
    • 動作に呼吸を合わせる。
    • 腰に痛みがある場合は反りすぎに注意。

4-3. ブリッジ(骨盤底筋と腹横筋の強化)

  • 手順
    1. 仰向けに寝転び、両膝を立てる。
    2. 息を吐きながらお尻を床から持ち上げ、肩から膝まで一直線になるようにする。
    3. 3〜5秒キープして、ゆっくり下ろす。10回ほど繰り返す。
  • ポイント
    • お腹を引き締め、骨盤底筋を締めるイメージを持つ。
    • 上げるときに腰を反りすぎないように注意。

5:症例と実践報告

5-1. 症例:50代女性・更年期障害で不眠傾向

主訴:ほてりや動悸、夜間の寝つき不良。
評価:呼吸が浅く、肩や胸周りに過度な緊張がある。インナーマッスル(特に横隔膜と腹横筋)の動きが硬い。
アプローチ:毎晩の入浴後に横隔膜リリースストレッチとキャット&カウを導入。3週間継続。
結果:寝る前に深い呼吸ができるようになり、夜間の寝つきが改善。動悸やほてりも回数が減少。

5-2. 症例:45歳女性・PMSと更年期のはざまでイライラ

主訴:生理前後のイライラや不安、全身のコリ感。
評価:猫背ぎみで腹横筋が弱い。呼吸が浅く、首肩周りが張りやすい。
アプローチ:ブリッジでインナーマッスルを強化しながら、横隔膜ストレッチでリラックスを促す。週に3〜4回のペースで2ヶ月。
結果:肩こりが軽減し、イライラの程度が減少。生理前の憂鬱感もやや改善。

6:ストレッチを続けるコツ

  1. 習慣化
    朝起きたときや夜寝る前など、タイミングを決めて行う。
  2. 呼吸を深く
    呼吸が浅くなると効果が半減するので、常にゆったり呼吸を意識する。
  3. 無理をしない
    痛みが出る場合は中止し、医師や専門家に相談を。
  4. 体調に合わせる
    更年期症状が強いときは、回数を減らし静的ストレッチ中心に切り替えるなど柔軟に調整。

7:まとめ

更年期の不調にはホルモン変化だけでなく、自律神経の乱れが深く関わっています。インナーマッスル、とりわけ横隔膜などをしなやかに保つストレッチは、自律神経を安定させ、更年期症状を和らげる大きな助けとなります。ストレッチを続けることで深い呼吸ができ、リラックス効果やイライラの軽減など、女性にとって嬉しいメリットがたくさんあります。

ぜひ毎日の生活にインナーマッスルを意識したストレッチを取り入れ、更年期を少しでも快適に乗り切りましょう。もし症状がひどいと感じる場合は、専門医やカウンセラーに相談しながら、無理のない範囲で続けることが大切です。

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