歳を重ねるごとに気になるのが「歩く力」の低下。特に40代〜60代の女性は、更年期に差しかかることで体力や筋力の衰えを実感する機会が増えます。
そこで注目されているのが「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」の予防・対策です。ロコモとは、運動器(骨や関節、筋肉)の障害により、要介護や要支援になるリスクが高まる状態を指します。
この記事では、脚の筋力を維持しながら柔軟性を高めるストレッチを中心に、歩く力をキープするための方法を詳しくお伝えします。
1:ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは?
ロコモティブシンドロームは、筋肉や骨、関節などの運動器が衰えて日常生活に支障をきたしやすくなる状態を指します。日本整形外科学会が提唱しており、「サルコペニア」や「骨粗鬆症」といった問題とも深く関わっています。要介護や寝たきりを防ぐためにも、ロコモ予防は大切なキーワードと言えるでしょう。
2:40代〜60代女性が抱えやすい運動器の問題
- 更年期によるホルモンバランスの変化
エストロゲンの減少は骨密度の低下や筋肉量の減少を招きやすく、ロコモを進行させる要因の一つです。 - 体重増加や運動不足
仕事や家事の合間に運動の時間が取れず、気づけば筋力が落ちている。膝や腰への負担が増え、痛みを抱える方も多いです。 - 姿勢不良による関節への負荷
猫背や反り腰などが習慣化すると、股関節や膝関節の可動域が狭まり、歩行がぎこちなくなることも。
3:脚の筋力維持とストレッチの重要性
脚の筋力が衰えると、つまずきやすくなったり転倒リスクが高まったりし、日常生活の質が一気に低下します。そのためには、筋力を鍛えるトレーニングと同時に、柔軟性を高めるストレッチが欠かせません。筋肉が硬いまま鍛えると、関節への負担が大きくなり、膝痛や腰痛のリスクが増えてしまいます。適度な筋力と柔軟性があることで、しなやかに歩き、スムーズに動くことができるのです。
4:実践例①:スクワット+ふくらはぎストレッチ
ステップ1:スクワットで大腿四頭筋とお尻を鍛える
- 足を肩幅に開いて立ち、両手は胸の前で軽く組むか、腰にあてます。
- 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと腰を落とします。このとき、膝がつま先より前に出ないように注意。
- 太ももと床が平行になる手前で止め、数秒キープしてからゆっくり戻す。10回程度を目安に行いましょう。
ステップ2:ふくらはぎストレッチ
- 壁やテーブルに手をついて前傾姿勢をとり、片足を後ろに大きく引きます。
- 後ろ足のかかとを床につけたまま、ふくらはぎが伸びているのを感じながら20秒キープ。
- 反対側も同様に行います。
スクワットで脚の筋力を強化したあと、ふくらはぎをしっかり伸ばすことで血流を促進し、筋肉痛や張りを緩和しやすくなります。
5:実践例②:ヒップリフト+もも裏ストレッチ
ステップ1:ヒップリフトで下半身を安定させる
- 仰向けに寝転び、膝を立てた状態で足裏を床につける。
- お尻をギュッと締めて骨盤を上げ、太ももから肩まで一直線になるように数秒キープ。
- ゆっくりと下ろして同様に10回程度繰り返します。
ヒップリフトは、お尻の筋肉(大臀筋)や太ももの裏(ハムストリングス)、背筋の一部にもアプローチできる優秀なトレーニングです。
ステップ2:もも裏ストレッチ
- 仰向けのまま片足を上げ、膝を伸ばしながら両手で太ももの裏を支えます。
- 可能であれば足首を自分の方へ引くようにして、ふくらはぎからハムストリングスまで伸ばします。
- 20秒ほどキープしてから反対側も行いましょう。
6:症例紹介:定期的なストレッチでロコモ予防に成功したAさん
50代の女性Aさんは、家族の介護と仕事で忙しく、いつの間にか運動不足に。少し歩いただけで膝が痛み、階段の昇り降りが辛くなったため整形外科を受診すると、ロコモティブシンドロームのリスクを指摘されました。
そこで医師の指導のもと、スクワットやヒップリフトなどの筋トレに加え、ストレッチを念入りに行う習慣を開始。はじめは膝痛のために浅いスクワットしかできませんでしたが、ストレッチで筋肉や関節を柔らかくすると可動域が広がり、少しずつ深くスクワットできるように。3ヶ月後には膝の痛みも軽減し、日常生活での動作が格段に楽になったそうです。
7:生活習慣で気をつけるポイント
- 適度な栄養摂取
筋肉や骨の材料となるタンパク質やカルシウム、ビタミンDなどを積極的に摂りましょう。 - 急激なダイエットを避ける
無理な食事制限は筋肉量を落とし、ロコモを進行させる可能性が。バランスの良い食生活が基本です。 - 休息と睡眠の確保
筋肉は休んでいる間に修復・成長します。睡眠不足はホルモンバランスを乱し、筋肉や骨の維持にも悪影響です。 - 姿勢の見直し
デスクワーク時の座り方やスマホを見るときの猫背など、日頃の姿勢がロコモの進行を助長するケースも。こまめに姿勢チェックをしましょう。
8:ストレッチの際の注意点
- 痛みがある場合は専門家に相談
既に関節疾患や骨粗鬆症などがある方は、無理な動きがかえって悪化を招く恐れがあるので注意が必要です。 - 呼吸を止めない
ストレッチ中に息を止めると筋肉が緊張し、逆効果になります。ゆっくりとした呼吸を心がけましょう。 - 毎日コツコツが大切
一度に長時間やるよりも、毎日少しずつ継続する方が効果が高いです。 - 無理せず自分のペースで
ロコモ予防は一朝一夕では成果が出ません。疲れを溜めすぎず、継続できる範囲で行うことが大切です。
まとめ
40代〜60代の女性がロコモティブシンドロームを予防するには、脚の筋力維持とストレッチによる柔軟性向上の両輪が不可欠です。スクワットやヒップリフトなどのエクササイズで筋力を強化し、さらにストレッチで関節や筋肉をほぐすことで、歩く力をキープできるでしょう。
「最近、階段を上ると息切れが」「なんとなく膝が痛いかも」と感じ始めたら、今がチャンス。今日からできる運動やストレッチを取り入れて、将来も自分の足で元気に歩ける健康的な身体を目指しましょう。


コメント